コスト増と外部との遮断

設備投資によるコストの高さ

注文住宅を建設する時に、周囲を気にせずに趣味のピアノ演奏を楽しみたいという理由で防音室を作る人もいます。家に防音室を取り入れる大きなデメリットが、コストの高さです。防音室は文字通り、室内の音を外に漏らさないために特殊な施工を行わなければいけません。壁はもちろん、天井や床部分も通常より厚くする必要があるので、必然的にコストが高くなります。3畳程度の広さでも施工費用の相場は130万円ほどです。事前に予算が決まっている場合、防音室の施工に多額の費用を取られて他の設備に回せなくなったという問題が生じるケースも少なくありません。防音室を作る時は余計なスペースを作らずに間取りを狭くすることが費用を抑えるコツです。

気密性の高さによる利便性の悪さ

音をシャットアウトして外部に漏らさないことを目的とした防音室は、使用する素材も通常とは異なります。6畳程度の防音室を作る場合、建築素材の総重量は、約1.6tです。普通乗用車1台と同程度の素材で囲まれることになるので、通常の部屋に比べて通気性が悪くなることがあります。夏場は室内が高温になるので、エアコンを始めとした空調設備で温度調節をしなくてはいけません。防音室は外に音が漏れない構造になっているため、外の音も室内に届かない仕組みになっています。宅配便や来客が訪れてインターホンを鳴らしても、音が聞こえずに気が付かないという問題が起こるケースも少なくありません。外部と遮断されてしまう空間は、日常生活での利用が難しいというデメリットもあります。